ビリーバット BILLY BAT 6巻 ネタバレ感想 オズワルドは英雄にならなかったからこそ英雄になれたんですよね

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この巻のお話

『ビリー・バット』の生みの親とされているチャック・カルキン。彼は元々はケヴィン・ヤマガタのアシスタントだった。それをケヴィン・ヤマガタが日本に行っている隙に、ビリーバットを盗作したのだった。
怒りに震えるケヴィン・ヤマガタ。

しかし、ケヴィン・ヤマガタの下でアシスタントをしていたチャックと、テレビの『ビリーバットアワー』に出てくるチャックとはまるっきりの別人だった――。
誰かがチャック・カルキンの名を騙っているのか? いったい誰が? 何のために?

リー・ハーヴェイ・オズワルドは、ダラスに妻を置いたまま、ニューオーリンズに来ていた。そこで倉庫の作業員の職を得る。真面目な働きぶりに上司や取引先の評価も上々だった。
しかし、彼には「英雄になる」という、目標があった。そのため、アメリカ帝国主義の打破と銘打って、共産主義活動に従事していた。
あるとき、亡命キューバ人学生会館の前で、カストロ議長支持のビラを配っていたところをキューバ人の男に殴られる。駆けつけた警察官は、男を捕まえるどころか、逆にオズワルドを国家反逆罪で逮捕する。
警察署で散々絞られるオズワルド。
ようやく釈放となった彼に、刑事が言います。
「自分が何かしら持ってるなんて勘違いするな。何かでかいことなんて、どうせできやしないんだ」
そんな言に、オズワルドは内心反発します。
「僕はチンピラなんかじゃない……操り人形なんかじゃない……」
「そうだ僕は、英雄になるんだ」
いつもの原っぱで一人ごちていたオズワルド。
そんな彼に一人の男が声をかけてきます。
「僕ら、よく似ている。そう思わないか?」

その人物こそが、ビリーバットの真の生みの親、ケヴィン・ヤマガタだった……。

感想


前巻の最後で、ビリーバットを盗作したチャック・カルキンが出てきます。まぁ最も、本物ではなく偽物のチャックなんですが。ビリーバットアワーを見て「こいつは誰だ?」って言ってるケヴィン・ヤマガタの顔が良かったですね。いよいよミステリーに突入かってカンジで。

偽チャックのキャライイですね。いかにも胡散臭さ全開といった風で。読者に一目で「絶対こいつ詐欺師だろ」って見破られそうななビジュアルですね。
でも僕は、偽チャックは嫌いではないんですよね。あの軽いキャラクター(笑)。ケヴィン・ヤマガタの目線から見たら、盗作した犯人なんで、恨み骨髄に徹してるでしょうが。
僕はああいう、胡散臭いが服を着て歩いているような男が好きなんですよね。ああいう軽い男が、実はつらい過去を背負っていて……なんて展開になると、ヨダレが出てきます^^ まぁ、後の巻で辛い過去が語られるんですけどね(笑)。「謎の人物がつらい過去を持っていて――」っていうのは、MONSTERや20世紀少年でもありましたね。まさに浦沢節ですね。

場面が変わってオズワルドへ。
彼はダラスからニューオーリンズへやってきました。そこで働く傍ら、共産主義活動に関わっています。

「僕は英雄になるんだ」
そんな夢を持つオズワルド。男なら誰でもこんなことを考えますよね。
オズワルドのこの思想を「幼稚だ」とか「いい年した男が夢みたいなこと言ってる」と斬るのは簡単です。
でも僕はオズワルドのこの考え方を否定する気はなりません。だって男に生まれついたのなら、英雄になりたいと考えるのは当たり前だと思うんですね。
でも当然ながら、誰でも英雄になれるわけではありません。
就職したり結婚したりで、ほとんどの人は、そんな夢は捨てていくのでしょう。
でもだからこそ、オズワルドの夢は眩しく映るのです。

それだけに、ケヴィン・ヤマガタの一言が残酷です。
「僕の漫画の登場人物から消えてくれ。歴史から君の名前を消してくれ」
オズワルドは、英雄にならないからこそ英雄になれたのです。

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