ビリーバット BILLY BAT 9巻 ネタバレ感想 アインシュタインと会う雑風 明智監督も登場

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この巻のお話

1922年の神戸

二十世紀最高の物理学者、アルベルト・アインシュタイン。唐麻雑風(からま・ぞふう)は来日中の彼のホテルにやってくる。
そこでアインシュタインにコウモリのイラストを見せる雑風。アインシュタインは、真っ青な顔で「とんでもないことになるぞ。時間旅行などやめておきなさい」と忠告する。

「時間旅行の何がそんなに恐ろしいんだ?」
と訊く雑風。
「もうそのことには深入りするな。さもなくば、私が時間旅行をして君の両親を殺すぞ」
と雑風を脅すアインシュタイン。
1964年の光森村。

雑風は殺し屋・ヘンリーに捕まり、木に縛りつけられていた。
ヘンリーは世界中を回り、まがい物のビリーバットを見つけ出しては処分していた。そして雑風の描いた『こうもり小僧』の漫画もまがい物として燃やしてしまう。その上で、ヘンリーは作者の雑風も殺そうとする。
首にロープがかけられたその時、雑風は「もし私に何かあったら、過去にさかのぼって、お前の親を殺す」とのたまう。
ヘンリーにはこれが、死を前にしたたわ言としか聞こえない。トドメを刺そうとするヘンリー。しかし、その時雑風は「私の師匠が過去に戻って、シシーとゲイリーを殺しているぞ」と言う。
そして、シシーとゲイリーはヘンリーの両親の名前だった……。

感想

冒頭に出てきたのは、人類最高の科学者、アインシュタイン博士。今まで下山国鉄総裁、フランシスコ・ザビエル、ユダとか歴史上の人物が沢山出てきましたけれど、今回はアインシュタインです。そういえば、後の巻になりますが、ヒトラーも出てきますね。
こうやって実在の偉人たちを出すのはいいのですが、風呂敷を広げ過ぎた感が否めない……。
有名人を出したら壮大な感じは出るのですが、どうやって話をまとめるのかということが心配になってきます。その点、手塚治虫は上手かった。あの『火の鳥』も滅茶苦茶スケールの大きな話でしたけれど、各エピソードはきちんとまとまっていましたね。
これは僕の勝手な思い込みなのですが、浦沢さんは手塚治虫を目指しているのでしょうか? なんか話の広げ方とか見ていると、前述の火の鳥やら『アドルフに告ぐ』とか『ひだまりの樹』とかを思い出すのですが、どうでしょうか。そういえば、アドルフに告ぐはナチス政権下のドイツを描いた作品で、ヒトラーも出てきますよね。

後半に出てくる明智小太郎監督。いいキャラしてますね。ワンマンだけど、どこか憎めない性格をしていますね。僕はこういうキャラが好きなんですよね。まぁ現実にいたら、あんまり関わりたくはないですけれど(笑)。

作中に出てきた映画『大怪獣ガズラ』。当然モデルはゴジラですよね。ってことは明智監督のモデルは円谷英二?
作中では散々「日本映画の特撮技術は凄い」って言われてますけど、当時の特撮は本当に凄かったんですよね。作中で舞台になった1964年代は、日本の特撮映画の黄金期だったんですよね。特に東宝の技術が際立っていた。東宝は戦時中は、戦争を賛美する映画、いわゆるプロパガンダ映画を撮って技術を磨いたんですよね。その技術力の高さを証明するエピソードがあります。戦後GHQが東宝に記録フィルム押収しにやってきた。GHQのスタッフは、円谷英二の撮った真珠湾爆撃シーンの映像がミニチュアだと気付かず、そのまま持って帰ってしまったんですよね。

ビリーバット9巻では、まだ1964年。二年後の66年に『宇宙大作戦』(後のスタートレック)が放映されるけど、まだまだ日本の特撮には敵わなかった。
アメリカが名作『2001年宇宙の旅』で、世界中に衝撃を与えるのは、さらに二年後の68年まで待たなければならないのです。

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